中3、夏。
テニス一筋だったあの頃。
全国大会の舞台。
私は乗りに乗っていた。
初戦からストレートで勝ち、調子がいい。
攻撃型の私。
最初からスマッシュをぶっ放し、
次々に相手を伏せていった。
ここから思い出したくない。
別に思い出してもいいのだが、
自然とストップがかかる。
ヒュ〜
気が付けば、コートには誰も居なかった。
時計を見たら、まだ3時。
今日は早引きなのかな?
周りを見渡したら、まだ賑わっている。
ヒマだな〜。
そんなこと思いながらもまたボーっとする。
すると、
〜♪〜♪
心地よい音色が耳の中へ溶けていった。
音の方向へ目をやると、
吹奏楽部が演奏していた。
案外近いところで演奏しているようだ。
あ、佳奈美待ってるかな?
急いで立ち上がり、音の方へ
フラフラと歩いていった・・・