逃亡記

どろぼう猫 2015-05-05投稿
閲覧数[513] 良い投票[0] 悪い投票[0]

黄色い三日月が足元を照らしている。

敵から逃げるために、ぬかるんだ草地を走らねばならないゲルダにとって、この明るい夜は吉とも凶とも言えた。

明るいので見通しが良いのは、彼だけではなく彼の敵も。

ゲルダは焦っていた。

(早く、早く逃げなければ…)

王国の宝を奪って逃げる元奴隷の彼には、恐るべき追っ手が懸けられていた。

ランスロット・ラーミアン。王国の軍人であるが、その性は残虐極まる。

人をなぶりごろすのが趣味の、相当に常軌を逸した奴だ。

ラーミアンにつかまって、なぶりごろしにされるという恐れから、ゲルダは必死に走っていた。逃げていた。

前方に、森が見えてきた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「どろぼう猫」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]
関東近辺のお葬式
至急対応も可能!!


▲ページトップ