ゲルダは森の奥を目指した。森の中央部を抜け、さらに向こうに達すれば、大きな渓谷に出る。 暗い森は、王国の追っ手からゲルダをかばう覆いでもある。 森を抜ければ、ラーミアンからはゲルダがどこに消えたのか簡単には分からぬはずだ。 そう確信して、ゲルダは森の植物をかき分け、ごつごつと膨らんだ木の根を避けて進んだ。 やがて森の心臓部に出た。 十メートルはありそうな巨岩が祀られ、その横をちろちろと清水が一筋滴り落ちていた。
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