1 夏のはじまりに
外は初夏の眩しい太陽の光が降り注いでいる。
空は気持ちの良いくらい青空が広がり、もうすぐアメリカ、この国にも待ち遠しい夏の訪れがやってくるはずだろう季節に、主人公は大学に入ってはじめての夏がこんな悪夢で始まるとは思いもしなっかたのだった。
アメリカでの町並みが広がるこの場所には、アメリカに住む片瀬一家の家がある。
そこには家の一角にあるリビングがあり、リビングにある窓のカーテンレースが風に吹かれ少し揺れていると、その爽やかな風が部屋に吹き抜ける。そこへ初夏の光が優しく部屋を照らすかのように差し込んできた。
女性はつい先ほど、リビングに呼ばれ、自分の部屋から下りて来た。
そこに下りて来たのは、今年大学一年になる、片瀬莉央というこの家の一人娘である。彼女はアメリカに住んでいるが、両親は二人とも日本人である。
したがって、彼女も純粋な日本人だ。黒く艶やかな髪、長さはセミロングでスパイラルパーマをあてていた。メイクなどはしておらず、ほとんどが口に色つきリップをするぐらいで今日もノーメイクである。
生まれた時からアメリカに両親と住んでいる。そして、平穏な日々を送りながら三人で幸せに暮らしていたのである。
そんなある日の出来事だった。
自分の部屋から自分の部屋から下りて来た。
すると、リビングで両親が深刻な表情でイスに腰掛けていたのを見ると、不思議そうに彼女は両親の顔を見ながら、彼女も自分の席のイスに腰掛けた。
その時、父親が口を開いた。
それは突然の事である。