第二十七話 戦没した船と海員の資料館其の四
「出雲丸は日本郵船の橿原丸級貨客船で昭和十四年に川崎造船所、現在の川崎重工で建造されていたのだけれど、建造途中で徴用され航空母艦飛鷹に改造されてしまったのよ。後、下のケースにある船の模型は姉妹船の橿原丸で、同じく徴用されて航空母艦隼鷹になってるわ・・・」
麻以が京助と影香に説明した。
「麻以詳しいわね・・・」
「従兄(あに)が色々と調べてるからね、その受け売りよ。貨客船として完成していたら桑港(サンフランシスコ)航路に就航する予定だったの・・・」
「受け売りでも頭に入ってるのが凄い」
京助は麻以に感心していた。
予定より長くなりそうなので二十八話に続く。