ブラザーズLove?

 2006-09-24投稿
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 彼女はその言葉を聞き驚いたようだ。
 やっと、彼女は両親が深刻な顔をしていた理由が今わかった。
「父さん、リストラされたの……」 
 父親は尋ね返され、彼女を見つめては黙ってうなずき、言葉を口から絞り出しては、すまなさそうな表情を浮かべながら顔を少しうつむき加減に、彼女に謝るのである。
「す、すまないね、本当の事なんだよ」
 父親の表情を見て、今、言われた事が真実だと確信したのと同時にショックを隠しきれなく言葉にも表れてしまい、知らず知らずの内に口調が少し強くなってしまう。
「本当の事って……これからどうするの?」
 彼女が強い口調で話すので、父親を心配した母親が慌てて弁護にまわるのだった。
「そんなにパパの事、責めないであげて。パパが悪い訳じゃないのよ」
「それはそうだけど。でも、母さん、これからの事心配じゃないの?」
 不安そうに尋ねると、リビングに少し大きくなった声が響いた。
 父親が母親に代わり、先程とは変わって顔を上げ、真直ぐに彼女の顔を見つめると力強く答えたのである。
「その事だが安心しなさい。お前は日本に行きなさい。私たちは家を売りに出して、この国を発ち、知り合いの事業を手伝うつもりだ」
「行きなさいって、日本の何処に行けばいいのよ……」
 戸惑いの表情を浮かべてはボソリと呟くと何かに気づいたのか二人に向って、
「っていうか、なんであたしだけなのよ!」
と、怒声に近いような声が再度部屋に響いた



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