貴方との再会?

秋桜  2005-12-19投稿
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それから、中島と何日かおきにメールするようになった。
相変わらず、彼女のメールは必要最低限の内容だったが。
どうやら彼女はメールより直接話す方が好きなようだ。

いつの間にか高総体が終わり、夏休みもあっという間に過ぎた。
新しいメンバーが決まり、新人戦が近付いて来た頃。

九月のある日、事件は起きた。

俺にとっては些細な事。
だけど…取り返しのつかないことをしてしまったことに気付く。

悪ふざけが過ぎたのだ。

部活の準備中。
「健太、ほら、愛しの梨帆ちゃんが来たよ」
部活仲間の有島 豪がふざけて言った。
俺はメールしてることは誰にも言っていない。
だけど…俺の態度の変化はわかりやすいみたいで、気付かれたのだ。
「ちょっ……おい!!聞こえたらどうするんだよっ!!」
「だぁ〜いじょうぶだって!!
それより、中島ってよく見たらスタイルいいよなぁ〜」
豪が眺めるように言った。
こいつは気本的にエロい。
「はぁ!!??お前…どこ見てるんだよ…。」
俺は半ば呆れて言った。
けど。
スタイルがいいことは否定出来なかった。
「まぁ…確かに足とか細くてきれいだよな。」
「だろ。
…………あ」
豪の動きが止まった。
ある一点を見つめている。
「どうし………」
俺は豪の視線を追って青ざめた。
中島と仲のイイ女子、平田 亜由美がそこに立っていたからだ。
「…………。」
平田は無言で走っていってしまった。
「まずいな……」
豪がぽつりとつぶやいた。

部活帰り。
「おつかれさまっす〜」
俺は先輩達に挨拶をしながら部室へと向かった。

(あ…中島)

平田と中島が着替え終えて帰っているところだった。
いつものように楽しそうだ。

(平田にあの会話…聞いてないよな??)

不安になる。
その時ふと、視線がこっちに向いた。

(や…やっぱり挨拶しなきゃだよな??)

そう思うと、俺は中島の方を見た。
「中島、平田。お疲……」
そこまで言って、俺は口をつぐんだ。

中島が…すごい目付きでこっちを睨んでいたからだ。

「……………」

俺はただ、呆然と立ち尽くすだけだった。

家に帰り、メールを打ってみた。

to 中島梨帆
件名 (non title)
━━━━━━━━━━━━
もしかして…なんか怒ってる??

送信。

俺はずっと返信を待った。
でももう、それから返信は来なかった。

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