啓吾達は、無言で歩いていた。4人とも李那の事を気にしているらしい。
ピッ・・・
龍華は小型の探知機の画面を見る。
「李那の反応が消えた・・・」
「本当か?!」
「嘘をついてどーするんだよ・・・」
と、言って龍華は探知機をしまった。
「よかったぁ・・・」
怜は、ホッとした顔で言った。すると、目の前が明るくなった。どぅやら、森からぬけたようだ。
「あそこに・・・晶が・・・」
啓吾の視線の先には、晶の別荘が建っている。啓吾はそこを睨んだ。
「待ってろよ・・・晶!」
そぅ言って別荘の方へ向かおうとする。すると、4人の前に髪の長い女の人が現れた。
「誰だ・・・御前」
「私は、晶様に仕える者です」
「何の用だ!」
龍華は大きな声で言った。すると、女の人の横に扉が3つ出現した。
「皆さん。どれか選んでこのうちのどれかの中に入ってください」
「何故だ?」
「この扉の中には、貴方達が一番強く思っている人が待っていますよ・・・」
女の人は、薄く笑って言った。
「この扉から出られない限り、晶様ちは会えません」
啓吾はもう一度別荘を見る。すると、女の人は小さい声で言った。
「それでは、幸運を祈ります」
そぅ言うとスゥッと消えていった。