「野口さん。お昼御飯何にします?」
(…う〜ん、もう昼かぁ!よく寝たなぁ。)
我が家の一日の始まりは、こんな感じである。
精神疾患で療養中の私と、仕事は、新聞の夕刊配達の彼との
同居生活。
つまりは、ニアリーイコール、プータロー族の生活である。
私は、タバコは、嫌いだが、彼の方は朝から晩まで
スモーキンブギを演じている。
食費も苦しいのに、タバコ代少しは、節約すれば良いのに…。
でも、タバコだけはヤメラレナイらしい。
「私のこと、好き?」
訊いても、上の空で、ふかしながら、
「ああ…。」
それだけである。
出会った頃は、彼も私も、もう少し情熱的だった。
瞳を見つめ合い、手を握って、視線で会話を
したものである。
時の流れに身を任せていくと、日々の生活に
感動や、感激が薄れて行くのだろうか。