なんて名前だろう。
何年生だろう。
知りたい。
自分の中の淡い欲が体を満たしていく。
なんだろう。
初めてだこんな気持ち。
微妙な気持ちのまま、家の中へ。
「ただいま〜」
すかさずお母さんが奥から顔を出した。
「おかえり。
ちょっと遅いんじゃない?
まだ部活始まってないはずなのに」
「ゴメン。
今日佳奈美と話してた」
「ふうん、そう。
ご飯できてるわよー」
「いらない。疲れたからすぐ寝る」
「そう・・・」
私は残念そうなおかあさんを横目に、
浴室へ飛んでいった。
髪と体を洗う程度にし、
すぐ自分の部屋にこもった。
「眠い・・・」
本当に疲れていたせいか、すぐに眠りについてしまった。
じりりりりりr・・・
不快な目覚まし時計の音で目が覚めた。
目が覚めたとたん、ドラムの人の顔が
頭をよぎった。
すぐに飛び起き、制服に着替える。
今日はいつもより準備が早い。
牛乳を飲み、家を飛び出る。
「いってきまーす!!!」
駅には佳奈美がいた。
「あれ?千鶴早くない?」
「そう?」
「うん笑
いつも遅刻してるじゃん」
「それは前のことでしょ。
あ、電車きた」
慌てて飛び乗る。
学校についてからもドラムの人のことで頭がいっぱいだった。
早く放課後にならないかな。
うずうずする気持ちを抑えながら、
授業終了のチャイムを待った。
キーンコーン・・・
佳奈美よりも早く教室を出る自分。
音楽室へ足を進めるが、
途中でテニスコートが目に入ってきてしまった。