〜Stliker〜 哀編 (160)

焼き魚 2018-06-26投稿
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革命教団による軍部上層部制圧は成功した。
国家元首の拘束にも成功し、クーデターともとれる行為は一見成功したかに見えた。

しかし、電波ジャックによる新国家宣布放送は失敗し、宣布を拒んで国民に決起を求めた大公は凶弾に倒れた。

放送スタジオ現場に居合わせた革命教団のメンバーは全員狼狽し、それはハーツ、加原とて例外ではなかった。

大公に対して銃を向けたメンバーは震えながら座り込んでいた。

加原は我に還り、銃を向けたメンバーに詰め寄った。

「なんてこと・・・・何てことをしてくれたんだぁあああ!!」

黒褐色かつ黄土色の不健康な顔面を紅潮させメンバーの胸ぐらを掴んだ。

加原の様子を見たハーツが静かに近づいてきた。

「やれやれ・・・もう少し使えると思っていたのですが・・・」

ハーツは加原の腕を掴むと一気に捻り、地面にねじ伏せた。

「いてててて・・・き、貴様!!」

加原は地面に顔面を強打し、眉間から流血していた。

ハーツは銃を持っていたメンバーから銃を取り上げ、銃口を加原の後頭部に向けた

「あなたももう、用済みだ・・・いやぁ、ここまで使えるとは思ってもみなかったよ。あなたの一見すると悍ましいあの変態趣味のお陰で私も腐らずに済んだし、その場で殺しても良かったんだけどね。」

「わ、私がここまでコトを大きくしてやったのだぞ!!裏切る気かぁ!?」

ハーツはため息をついてこう言い放った。

「裏切る?違うね。見限るんだよ。それにあんたでなくても協力者など沢山いる。まぁ武器の調達と峰崎龍雅の監視はあんたのおかげによるところが大きかったが・・・」

加原はもがきながら逃れようとしていたがハーツは続けた。

「あいつを自殺に追い込めなかった時点で既に終わってた」

パァアアアアアン

床に加原の頭部の一部だったものが散乱した。

ハーツはゆっくりと立ち上がり、呆然と立ち尽くす周囲のメンバーに指示を出す。

「急いで川崎大信を拘束し、評議会へ連行しろ。扶桑にて直ちにセントラルシティを攻撃し主要施設を破壊せよ。防御壁は確実に破壊してグルドの侵入を確実にしろ。総攻撃開始だ。」

メンバー全員が我に還り、ハーツの指示を伝える。

「攻撃開始」

「攻撃開始」

「攻撃開始」

セントラルシティ上空に待機していた空中戦艦『扶桑』が一気に都市へ接近しレーザービームや爆発物などを投下した。

同時に大量の多種多様なグルド達も投下され、セントラルシティは一瞬にして地獄絵図と化したのであった。

綺麗に林立されていたビル群は次々に倒壊し窓ガラスから投げ出される人々。

地上では大量のグルド達が逃げ惑う人々に襲いかかり、食い散らかした。

道路には人や動植物の一部だったものがあちこちに撒き散らされている。

軍のストライカーも地上から、空から直ちに応戦するが敵の圧倒的な物量の前に、また指揮系統が機能していないため成す術もない状況であった。

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