第三話 祖父の願い
「そちらのフィルムを送った後にこの手紙が出てきました。生前に祖父が書いた物です」
ゆきと浩司は、彦山から差し出された手紙を受け取り、目を通す。
あの騒動より七十年。アニメの出来に対して其々思うことはあるだろうが、それで地上、宇宙合わせて五十億もの命を奪っていい理由にはならない。
騒動を起こした主犯達は犠牲者遺族の手で処刑される末路であったが、此を気にアニメを亡きものにしようと企む者達が天下を取ってしまい排斥が加速し現在の惨状に至ってしまった。
私はその様な不心得者からこのフィルムを守りたい。
この手紙を手にした者が、私の子孫か、所縁無き者かは判らぬが、このフィルムが再び銀幕で流せる時代になっているならば、老人の我が儘であるが是非とも流して欲しい。
二人は手紙を読み終えると改めてフィルムを見詰める。
「このフィルムが上映出来る様にしないとね」
ゆきはそう口にすると、浩司も。
「そうだな」
と、答えた。
第四話に続く。