航空戦艦要塞『扶桑』
かつて敵対勢力を掃討するために建造され、
扶桑型超巨大戦艦の一番艦その形は火山噴火後に形成される
カルデラ地形を模していると言われた。
連邦公国はこのような戦艦を多数保有していたが革命教団との
先の大戦においてその9割以上を消失した。その巨大さ故に、
修復は困難を極めており、戦後に発生した財政難も重なり
修理されずに放置された状態である。
扶桑も例外ではなく戦後に修復の目処が立たず部分的な修理に
留まっていたが革命教団の残党勢力が一部の軍関係者を懐柔した結果
扶桑の接収を秘密裏に成功。
隠れ蓑に使っていた関連企業の収益を扶桑の修復に全て投じ、
飛行可能なレベルに回復させたようだ。
なお、本来の管理者であるはずの軍も戦後処理に終われ
不時着後放置されたかつての旗艦の処遇を
後回しにしていた状態であった。
峰崎龍雅は航空戦艦要塞『扶桑』の無力化のため先発隊として
落下傘による降下を強硬。着地による衝撃で背部を強打したが
近くにあったハッチから辛うじて戦艦内部に侵入した。
『MN13ヨリ侵入者アリ、チカクノ整備班は待避セヨ。
戦闘員ハ会敵シ排除二アタレ』
侵入直後より警報が激しく鳴らされる。
龍雅は直ちにハンドガンを構えるが戦闘員が来る様子はない。
それどころか人が行き交ったような痕跡すら認められないのだ。
龍雅はダメージからの回復を待つ時間を確保した後、更に内部へと
侵入を開始した。