「詳しいことは今からこの屋敷の人に聞くところ。西くん起きたばっかで混乱してると思うけどあたしたちもおんなじようなもんだから大丈夫だよ。」
山上はそう言って笑った。何が大丈夫なんだよ。
普通、何か予想もできないことが起こると女子は柊のようにうるさくさわぐ。
そこんとこ山上は、冷静なのか鈍感なのかよくわからない。
まあとにかくここの屋敷の持ち主を待つことにした。
「みんな目が覚めたみたいだね。」
そう言って屋敷の男が入ってきた。
なんだ、俺、勝手にじいさんだと思ってたら、わりと若い人じゃん。何歳くらいだろ。体育の小松と同じくらいかな。じゃあ20代中盤、うん、そんなもんかな。
「あの!あたしたちなんでここにいるんでしょうか。わけわかんないんですけど!」
恩田に聞かれてその男は話をはじめた。 「時の石伝説という伝説がこの地方にはあってな、その石は過去から未来、またはその逆もあるが、とにかく時を越える力があるとあわれていて、もし未来へいく事ができれば、不老不死の薬があるかもしれないと、藤原様の命令で国中の陰陽師や学者達が研究しておった。」