ボクのお母さんとお父さんは、家で画家として働いていた。お父さんが絵を描くほうで、お母さんがそのアシスタントとして働いていた。
お母さんがボクを産んだ日は、春一番が吹き荒れる日だったらしい。
ボクが小学校に入る時、お父さんは、ボクをおんぶして入学式の会場に行った。
こんな、幸せが続くのは、ボクが小四になるときまでだった。ボクは、学校から帰ってくると、まず最初に、お母さんとお父さんがいる、アトリエに行き、ただいまを言っていた。二人とも行方不明になった日もアトリエに行った。でも、いなかった。 つづく