「もしかして今の声花子さんじゃね!?」
基樹が苦笑いしながら言うと、
「やだー怖い・・」
と、岡本さんと遠藤が顔を見合わせながら怯えている。
「んな訳ないって!気のせいだよ気のせい!!な!!」
俺はまったく気にしてない感じに明るく皆に振るまうが、
内心一番ビビってたのは俺だと思う・・。
「じゃ、じゃぁそろそろ出よーぜ?ホラ!腹も減ってきたしさ!!」
俺は早くこの場を離れたかった故に、適当な事を言う。
なんか分からないけど、嫌な予感がするんだ。
俺って霊感とかあるのかな・・・??
「うん・・。そろそろ帰ろ・・・」
岡本が俺に続いて言う。
岡本は今にも泣きそうな顔をしていた。
すると、突然
「わああ!!!!」
と言う馬鹿デカイ声が耳に響き渡る。
俺はビックリしすぎて、情けない事に岡本さんの前で腰を抜かしてしまった。
「驚いたぁ!?」
基樹だ・・。
「いやぁ〜寛が今にも死にそうな顔してるからさぁ、元気づけてやったんだよ!」
訳の分からない事を平気で言う基樹に俺は軽くキレた。
「てめぇふざけんなよ!!ぶっ殺すぞ!!」
俺の足は微かにまだ震えていた。
本当情けねぇ・・。
岡本さんと遠藤もその場に座り込んで居た。
「もう!座り込んじゃったよ!汚〜い!瀬間(基樹)のせいだからね!」
と、遠藤がスカートを叩きながら立ち上がると岡本も釣られるように立ち上がった。
「ごめんごめん!!もうしないから許して!」
両手を「いただきます」と言わんばかりに、合わせて謝ってきた。
「次やったら只じゃおかねぇからな!」
と基樹に怒鳴りつけると、「怒られちゃった★」みたいな顔で、舌を出している姿にまたもや、イラッとした。
そして俺は、トイレから出ようとドアを開けようとしたその瞬間、
「フフフ」
と言う声が耳に入った。
俺はすかさず、
「基樹!!てめぇ殺す!!」
と言って、基樹の胸ぐらを掴もうとすると
「ちょっ!待って!ストップ!!俺じゃないって!!マジで!!!」
確かに聞こえてきた声は、明らかに女の声だった。
岡本と遠藤の顔をチラッと見ると、二人共激しく首を振っている。
じゃぁ今の声は・・?
俺は怖くなり、すぐトイレを出ようとドアを開けようとしたが・・。
まさか・・。
汗が頬をつたって落ちる。
ドアが・・開かない・・・!!