「再び時を越えるためには日の光を何年浴びせなければならないかも分からない。もしかしたらもう再び輝き出すことはないかもしれない。」
「・・・どうする?」
とりあえず部屋にもどり、山上がそう言うと、恩田が泣きそうになりながら
「・・・どうしようも・・・ないよ。なんで中学最後に楽しみにしてた修学旅行でこんなことになるの。」
・・・みんな黙ってしまった。
「・・・帰ろうよ。」
柊はそう言った。
「帰ろうよ、2006年に!何か、あるはずだよ。あたしらが元の時代にもどる方法!」
「そう・・・だよな。うん、絶対あるって!時の石だってあれ一個とは限らないだろ。全国探せば一個くらい今すぐにでも帰れますってのもあるかもしれないし!」
めずらしく俺は大きな声を出してみた。
「・・・だよな。」
「俺ら実際にタイムスリップしちゃってんもんな!もう一回くらい同じ事あってもおかしくねーよな。」
「こんな別の時代で死ぬなんて絶対やだよ!」
「じゃあみんなで平安時代の修学旅行だね!」
山上の能天気なセリフにみんなが笑った。
これが、俺らの平安修学旅行のはじまり。