「どぅするんですか・・・?」
怜は龍華を見ながら言う。龍華は眉間にしわを寄せて考えているようだった。
「ここに入らないと晶に会えないんなら・・・。仕方ない」
「そぅだな」
隣にいた藻が言った。そして、啓吾は左端の扉へ。怜は真ん中の扉。龍華と藻は右端の扉へと入った。
「ココは・・・?」
扉を開けた怜の目の前には見覚えのある景色が広がっていた。
「ココ・・・知ってる」
この場所は、怜達が始めて舞と翔に会った場所だった。怜にとっては、大切な仲間が出来た、大切な場所なのだ。
「怜」
「!」
怜は後ろを向く。そこには、舞が立っていた。
「舞・・・。何でココに?」
怜は、少し驚いている。舞は今、病院に居るはずだ。それなのに、今自分の目の前にいる。
『貴方達が一番強く思っている人が待っていますよ』
怜は、さっきの言葉を思い出した。怜が一番強く思っている人は舞なのだ。怜は、舞の記憶が無くなってから、ずっと舞の事を気にしていたのだ。
「怜。待ってたよ」
舞は、ニコッと笑って言う。怜も微笑んで、舞の方へ歩きかけた。
ヒュン・・・
「えっ・・・?」
怜の頬から血が流れる。
「晶様からの命令なの。貴方を倒せってね」