ドアが・・開かない・・・。
俺の顔はみるみる内に青ざめていった。
「おい?寛?何やってんだよ!早く出ようぜ!?」
俺の異変にすぐ気付いた基樹は後ろから声をかけてきた。
「ドアが・・・開か・・な・・・」
俺は恐怖のあまり体中が小刻みに震えて、上手く話す事が出来なくなっていた。
「ぁ!?聞こえねーよ」
そう言った基樹の声すらも俺の耳には入っていなかった。
すると基樹がドアを開けようとドアノブを引く。
「なっ・・!!!?」
基樹の顔全体がじょじょに青ざめて来るのが分かった。
「え!?何!??どうしたの???」
気が動転する俺達の異変にようやく気付いた様子の遠藤が問いかけて来るが、俺は上の空で遠藤の声など耳に入ってるハズもなかった。
「ドアが・・開かないんだ・・・。」
少し震えた声で、基樹が遠藤達に言うと、
三人共信じられないような顔でコッチを見てきた。
「え・・!?嘘でしょ・・・!?」
そう言うとドアノブを岡本が一生懸命引き始めた。
しかしドアはまったく開かない。
「あたしがやる!」
遠藤が岡本に変わってドアを開けようとするが、勿論開くハズもなく、俺達5人は恐怖のあまり只呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。
「どうすんだよ・・。」
少しばかし落ち着いた様子の基樹が俺を横目で見ながら言うが、
まだ震えが止まらない俺は口が開かず、何も言う事が出来なかった。
「と・・取り合えず落ち着こうよ」
基樹の友達の雄作が落ち着いた様子で言うと、
「お・・・おう・・。」
と基樹も続いて言う。
俺もちょっとばかし冷静になってきた。
「まずここから、出る方法を考えよう」
雄作が言うが、
ドアも開かないのに出る方法なんてあるのか・・??
俺はしばらく考えると1つの方法を思いついた。
「窓は!??」
そう言うと、
「あっ!そっか!!」
と基樹が続く。
俺は窓を開けようと手をかけた。
・・・。
「開かねぇ・・。」
俺が言うと皆ガックリと肩を落とした。
そのまま沈黙が続く。
すると突然目の前に、赤い服を着た5歳ぐらいの女の子がフッと現れたのだ。
俺達は、言葉を失っていた。
ドクンドクン・・。
女の子がニコッと笑うと、俺はもうここからは出られないような気がした・・。