意識が薄れていく中で叫び声や鳴き声が良の頭の中に響いた。突然良の頭の中は真っ白になった。
(今は・・3100年??・・なら父さんは??・・母さんは??・・太一は??・・優香は??)
良の頭の中には家族、親友、彼女の顔が浮かんで消えた。
(・・・??お前は・・??)
良の頭の中には見たことも無い女の子の顔が浮かんだ。腰まである黒く長い髪、瞳の色は薄いグレー、肌は透き通る程白く、とても美しい少女だった。少女は悲しそうに微笑み、一筋の涙を流して消えた。
「・・・・う!!・・・良!!」
良は名前を呼ばれて目を開けた。目の前には見慣れた顔の男の子と女の子が心配そうに良の顔を覗きこんでいた。良は驚きベッドから急いで体をおこした。
「太一!!??優香!!??っ!!頭が!!」
良は頭を押さえてまたベッドに寝転がった。一瞬全てが夢なんだと期待した気持ちをこの頭痛が現実なんだと思い知らせた。