猫は我輩というより、我がままである。
秋なのに夏の様に熱い日の公園の階段、アスファルトに寝そべったちいこい猫をわたしは拾った。
猫を飼うのは初めてで、家に連れて来たは良いが、何をして良いか全くわからず、ただあたふたとするわたしをヨソに、猫は伸びをしたりあくびをしたり、買ったばかりのソファーに寝転んだりと、マイペースに自分の時間を過ごしていた。
夕暮れも近くなって、猫はずっと寝転んでいたソファーからころげ落ちる様に飛び退き、台所のほうにノシノシと向かった。
猫が去った後、ふと真新しいソファーを見ると柔らかそうな排泄物がある。
夏の終りを知らせるかの様に、少しヒンヤリとした風が吹いた。
バツが悪そうに猫は遠巻きにこちらを見ている。
少し冷えてきた紅茶をわたしは一口飲んだ。
猫は我がままである。
名前を考えてやらないと。