そんな会話を交わした数週間後、お兄ちゃんに彼女が出来た。
その彼女は、私より一つ年上で、何処となく私に似ている女性だった。自惚れ過ぎかな。
「お前はどんな男が好きなんだ?」
お兄ちゃんがそんな事を聞いてきた。
お兄ちゃんに新しい彼女が出来て、一ヵ月が過ぎる頃の事。
「そうだなぁ。お兄ちゃんみたいな人かな」
笑って言ってみせた。この前の仕返しと言わんばかりに。
だけど、それは決して冗談ではなかった。…本気なんだよ。でも、やっぱり言えない。
お兄ちゃんは私の答えを聞いて笑っていた。