私も恋人をつくった。お兄ちゃんより一つ年下の何処となくお兄ちゃんに似ている男。私はそれで満足だった。
お兄ちゃんは、どんなに頑張っても手に入らないから、私は彼を選んだ。ヒドイ女かもしれないけど、こうするしかなかったの。
お兄ちゃんの次に、彼を愛する事を決めた。
全ては、何事も順調だった。あの日が来るまでは。
お兄ちゃんが死んだ。
突然の出来事。突然の交通事故。
そして、目の前には静かに眠るお兄ちゃんの姿。
私の中の時間が全て止まった。真っ白になった。この空間がニセモノに思えた。