何かがいる

けん  2006-09-27投稿
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 ある夏の日の出来事。

 僕の家では熱帯魚を飼っている。
 使用している60cm水槽は人からのもらいもので、その中ではネオンテトラやコリドラスが泳いでいる。
 フィルターもサーモスタットもきちんと機能し、問題なく飼育できている。

 ただ、2本あるうちの片方の照明が少し調子が悪い。
 スイッチを入れて、少し時間がたってから光を照らすのだ。
 もう片方に比べて光量が弱めなので、夏場は温度上昇を防ぐのに重宝していたのだが。

この熱帯魚用水槽の照明について、怖い思いをしたことがある。

 日もとっくに暮れて、外出しようとしていた。
もちろんのこと、きちんと戸締まりをする。
 その際、水槽もチェックしておく。水温によって照明の有無を決める。

 水温はそこまで上昇していない――軽く照明をつけていこう。
 スイッチを入れて、すぐには照明がつかなかったが、とりあえずそのまま出かけることにする。

 アパートの部屋を出て、僕はふとこんなことを思う。

 帰ってきた頃には照明がついているのだろう、しかし…照明のスイッチを入れたことを忘れていたら怖いだろうな、と。

 というのも、外出してアパートに帰ってきた時、外から自分の部屋がぼんやり光っているのを見るたびに、僕はいちいち驚いていた。
自分がスイッチを入れていたのも忘れて。

 そんなこんなで僕は出かけた。アパートを離れたら、もう何も気にしていない。
 いつものことだった。



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