Soul City No.14< 悲しみ >

05yR  2006-09-29投稿
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春はいきなり踏み込み、一瞬で良の懐へ潜り込んだ。
「っ!!!!」
良は何とか剣で防いだが、春は何度も剣を振るった。良の体のあちこちからをかすり、服が破れ血が出ていた。良は剣を構え直しすと、次は逆に剣を振り春に切りかかった。お互いの剣がぶつかり、必死に春の刀を押し返した。そんな時に、小型イヤホンに2時間経過と連絡が流れ、2人は剣を弾き一度距離をとった。
「後1時間だ。さっさとケリをつけようぜ!!」
春が叫びながら良へと駆け寄って来た。春の剣を剣で受けとめると、春は良の脇腹に強烈な蹴りを入れ、良が怯んだその隙に春は剣を振り上げた。そしてまた2人は離れ距離をとった。春は剣を肩の上に置いた。良は何とか体をねじり交したが、腕を深く切られ、片膝を付き、血が出た腕を押さえ下を向いた。
「俺は親の趣味で剣術を習ってたんだ。まぁ竹刀だけど。・・だがどっちみちお前じゃ俺には勝てない」
「・・関係無い」
「何だと!??」
「・・力の違い何か関係無い。俺はお前を許さない。姉貴を殺し、殺しを楽しむお前を絶対に許さない!!」
良が剣を振るった途端、春の左腕が飛んだ。肩からは血が吹き出て、春はうめき声をあげながら左肩を押さえ床に倒れこんだ。
「なんだ・・今の・・は・・??」
良と春の距離は10m以上はあり、剣が届くはずなどなかった。気がついた時には春の左腕は切り落とされていた。春は歯をくいしばり、痛みに顔を歪め意識が薄れていく。何とか目を開けると目の前には良が立っていた。
「!!!!・・ぐっ!!・・俺の敗けだ!!助けてくれっ!!」
春は死に脅え、痛みを忘れて必死に叫んだ。そんな春を良は上から冷たく睨みつけ、剣を振り上げた。
「・・・もう遅い」
良が剣を振りおろすと、建物の中には春の悲鳴が響いた。良は剣を鞘の中にしまい、姉の側に近より抱き上げて建物から出て行った。


「・・姉貴・・ごめんな」
良は姉を抱きしばらく歩き続けた。すると小さな噴水があり、噴水の横に姉を寝かせ、ハンカチを水に落ちていた布を濡らし、姉の顔を拭いた。














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