Soul City No.15< 京 >

05yR  2006-09-29投稿
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布は直ぐに血で汚れてしまった。良は辺りを見渡し布を必死に探した。
「はい」
ふと目の前にハンカチを差し出され、上を向いた。そこには黒のロングコートをはおった黒髪、長髪の男が立っていた。良が呆然としていると男は噴水の前にしゃがみ、ハンカチを濡らしてまた良に差し出した。
「大切な人なんだろ??」
良は我に返りハンカチを受けとり、また姉の顔についた血を拭いた。

「・・あの」
「何だい??」
良が振り返ると男は黙って立ち去ろうとしていた足を止め振り返った。
「ありがとう」
「!!・・・・君は優しいね」
「えっ!!??」
男は良の側まで戻って来て噴水の横に座った。
「・・この国では死が当たり前になってしまった。そんな中必死に死者を清めようとする君の姿を見ていたら黙っていられなかっただけさ」
「・・悲しい国なんだな」
「そうだよ。・・君の名前は??」
「嘉山・・良」
「良か、鈴音(スズネ)によく似ている」
男はとても悲しそうに微笑み良を見た。
「鈴音??」
「急がなくてもいずれ会えるよ。君がこの悲しい国で生き残れたら」
「??・・・あんたは何者なんだ・・????」
男はゆっくりて立ち上がり良の目の前に立ちまた悲しそうに微笑んだ。
「俺は西園寺 京。君の敵さ」
京はロングコートの下に隠れていた剣を抜き、良の首をめがけて剣を振った。その瞬間、良の耳につけていた小型イヤホンから3時間を告げる瀬黄の声が流れ、剣が良の首に当たる瞬間良の姿は消えた。
「・・・・・・・またいずれ会おう」
京は剣を鞘にしまうと、良の姉を抱き上げてその場を立ち去った。







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