それから彼女の目は冷たくなった。
すれ違ってもあの時みたいに話しかけてくれない。
時間が経つにつれて謝りづらくなっていった。
せめてもうちょっと、俺に勇気があったらよかったのに。
…貴女に出会ったのは
そんな時だった。
中島とメールをしなくなってから、二週間が経とうとしていた。
天気のいい、のどかな日。
部活が終わって、豪と街をぶらついていた。
「なぁ、お前あれから中島とどうなんだよ」
「どうもないよ…嫌われたみたい」
「マジ??やっぱカラダのことはまずかったなぁ〜…ごめんな」
「お前のせいじゃないよ…」
そう言いつつ落ち込む俺。
「あ〜あ…もう…俺どうしたら………ん??」
俺はポケットで鳴るバイブに気付いた。
取り出すとちょうどバイブは止まり、『新着メール 1件』の文字が写し出されていた。
(もしかして……)
「どうした??」
「いや、メールが来ててさ…」
(…もしかして…中島??)
俺は少し期待した。
メールを開く。
from 麻美
件名 (non title)
━━━━━━━━━━━━
部活ぉ疲れぇ☆ぃきなりで悪ぃんだけど…ぉ願ぃがぁるんだ(>_<)ィィかなぁ??
(…麻美……か)
「誰??」
「あ、麻美だった」
豪に返事を返しながら、返信した。
(お願いってなに??と。)
そう送ってから、すぐに返信が来た。
from 麻美
件名 (non title)
━━━━━━━━━━━━
ぁのね、ぁたしの先輩が健太とメールしたぃらしぃんだ(>_<)めっちゃぉ世話になってる先輩だからしてぁげてくんなぃかな(・ω・;)
(……ん〜まぁ、別にいいかな)
「何だって??」
「あ〜、何か俺とメールしたい人がいるらしいから、してって」
「へぇ〜、モテモテじゃん」
豪がニヤつきながらからかう。
「モテてねぇよ」
そんなからかいに適当に付き合いながら、麻美にOKの返事をした。
すると、またすぐに返信が来た。
(こいつ返信早過ぎ…)
正直そう思った。
しかし、返信は麻美じゃなかった。
メインフォルダにはいったメール。
これが貴女との、始まりだった。