生涯の恋人 14話

ふく  2006-09-30投稿
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―もしも君が
泣きたいくらいに
傷つき肩を落とす時には 誰よりも
素敵な笑顔を
探しに行こう
全てのことを
受け止めて行きたいずっと二人で

抱きしめたい
溢れるほどに
君への想いが 込みあげてく
どんな時も
君と肩をならべて
歩いて行ける
もしも君が
さみしい時には
いつも僕が そばにいるから―\r
[Mr.children
抱きしめたい]ヨリ
そういえば
独りで聴いていた歌
今は二人で聴いている

こんなにも聞こえ方が違うんだ

こんなにも深く体に心に染み込んでいく
せつなく寂しく聴いていた歌が
せつなく幸せな歌に聞こえてくる

「俺、この歌好き。」

「私も。」

それから二人で静かに 歌が終わるまで言葉を交わすことはなかった

やがて歌が終わった
その後の会話は
どことなくぎこちない

少し照れくさかった



「おはよう。」

「おはよう。」

いつもの朝
いつもの待ち合わせ
いつもと違うのは
今日は雨だとゆうこと
そしてミスチルの『抱きしめたい』を一緒に聴いたとゆうこと

素直に
あの歌のような恋を彼としたいと思った
まだ昨日の歌を引きずっていた

『抱きしめたいかぁ。考えてみたらまだ一度も彼に触れたことないなぁ…』

付き合い始めて
間もないにしても
彼に触れたことないとゆうのは
あまりにも寂しすぎた

かと言って
さりげなく触るとゆう術もなかった

「えっ!こっち雨降ってんの?俺んちのとこ降ってなかったから傘持ってきてないよ!」

ドキッとした

手に持っていたのは小さなビニール傘

「うん、朝からずっと降ってたよ。」

『そうじゃなくて、傘持ってないんだからさ…』
駅の階段を降りる間心の中で言葉を探した
胸が高鳴る
たった一言
言えばいいのに

階段はあと三段
降る雨が迫ってくる
思い切って
彼の顔を見上げる

「一緒に入ろう!」
やっと言えた

「ありがとう。いいの?」

「うん。」

「じゃあ俺が傘持つよ。」

傘を開き
彼に差し出した

『あっ…』

彼の手と私の手が
わずかに重なった

初めて触れる彼の手は温かかった

彼も何か感じたのだろうか

少し違う空気が流れた

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