生涯の恋人 15話

ふく  2006-09-30投稿
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彼と私の身長はアンバランスだ

彼は175センチ
私は150センチ
25センチもの身長差がある
二人が並ぶと顔を見合わせるのも大変だ

授業中 朝彼と手が触れ合ったことを思い返す
何度思い出しても赤面してしまう
何と言っても
異性との初めての相合い傘
今日の雨に感謝する嬉しさと恥ずかしさでドキドキが止まらなくなる

「ねぇ、ヒロコ。今日の朝さ、熊崎君と相合い傘した。しかも傘渡す時、手が触れたんだよ!」
この出来事を誰かに話さずにはいられなかった

「相変わらず純粋だね〜。可愛い。」

ヒロコは冷やかすように言った

幸せな出来事と
好きな気持ちは
比例するものだと思った

たった一秒の
彼の手の感触だけで彼を想う気持ちは大きくなった

彼のわずかに暖かい手の温もりと
彼の優しいての感覚はあの瞬間 私の宝物になった


帰る時には
すっかり雨は止んでジメジメした空気が立ちこめた

『あ〜ぁ、もう相合い傘は無しか…』

本当に残念だった

帰りの道のり
朝のことはどちらも口にはしなかった

あんなに嬉しかったのは私だけだったかもしれないと思い
私からあの喜びを打ち明けるのは止めておいた

「また明日ね。」

手を振る彼の手
あの手に触れた

これから先
もっともっと彼に触れることが出来る

これから先
どんな幸せが待ち受けてるんだろう

そんなことを思いながら彼の背中を見送った


夕飯を済ませて自分の部屋に戻ると
携帯にメールが入っていた

『熊崎君?』

ワクワクして携帯を開く

宛先は『ヒロコ』だった

【今日彼氏から聞いたんだけど、熊崎君も朋美と同じこと言ってたみたいよ!朝手が触れたこと。熊崎君もかなり嬉しかったみたい。良かったね!】

また赤面した

『彼も同じ気持ちだった…』

そう思うと
彼の気持ちの大きさを実感した

何よりも
彼がその気持ちを友達に打ち明けてくれたことが嬉しかった
お互いに口に出さなくても同じ気持ちでいる

その繋がりが二人の幸せを大きくする

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