「ココは・・・」
道路の両側には緑の草木が遠くの方まである。そのアスファルトの上に啓吾は立っていた。
「ココは・・・確か・・・」
啓吾の頭の中で何か思い出しかけている。啓吾の頭の中でいろんな事が頭の中をめぐる。
「!」
啓吾はハッとした。ココは、記憶を無くした翔と最後に話した場所だった。
「ってことは・・・」
「啓吾」
「!」
啓吾は後ろを向いた。そこには、翔の姿があった。
「翔?!何でココに」
啓吾は驚いた顔で翔を見ていた。
「晶様が、啓吾の記憶の中から俺を実体化させてくれたんだよ」
「晶が・・・」
「うん。いい人だよね。晶様は」
「なっ・・・!」
すると、翔はニッと笑って言った。
「俺を実体化させて、啓吾を倒せって言ってくれたんだよ」
「なんだって・・・!」
「暴れ足りなかったし。ちょうど良いや」
と、言うと翔は勢いよく啓吾の方に走ってきて、右手につくった拳を啓吾の方に突き出した。啓吾はその拳を片手で止めた。2人の手は小刻みに震えている。
「翔・・・、止めろっ!」
「イヤだね。命令だからさ」
「くっ・・・」
啓吾は翔の手をつかんだまま、右足を上げて横に振った。翔は啓吾の足から避けて、啓吾に手をつかまれたまま足を高く上げて振り下ろした。
「くそっ・・・!」
啓吾は翔の手を離して後ろに避けた。翔の足はアスファルトの上に落ちた。
「避けられたか・・・」
アスファルトには少しヒビが入っていた。
「ま。楽しもうよ?」
翔はニッと笑って言う。
「イヤだね」
啓吾は右手をグッと握った。
啓吾VS翔
戦闘開始!