ラッドと名乗ったその男はレックスに近寄ってきた。 「剣を抜け。」 ラッドはそう言うと自らも剣を抜いた。 レックスが剣を抜いたそのとき突然工場の外が騒がしくなった。 「レックス!街が燃えてる!」 ハウィーが叫んだ。 「リンちゃん…リンちゃんのとこに行かなきゃ…!」 フィーは今にも泣き出しそうな顔で言った。 「レックス!そいつは俺とレイにまかせてフィーといっしょにシンの所に行ってくれ!」 ハウィーはそう言うと剣を抜き身構えた。 「わかった…頼んだハウィー!」 レックスは大きくうなづき走り出した。 「2人だけで俺に勝てるのか?」 ラッドは不気味な笑みを浮かべている。 「さっさと始めるぞ」 ハウィーからはいつもの陽気な雰囲気は消え、怒りに満ちた目でラッドを睨みつけていた。 レックスはフィーの手を引き街の中を必死に走った。街のあちこちから煙が上がっている。それを見たレックスとフィーはさらに必死に走った。 シンの家の前までくると子供の泣き声が聞こえてきた。 「…リンちゃん!」 フィーは泣き声のするほうに向かうとリンが泣きながらシンにしがみついていた。 「シン!何があったんだ!?」 シンはただ家が燃えているのを見つめている。 「あいつが…あいつが…母さんを…」 シンが指差したほうを見ると見覚えのある顔の男が立っていた。 「くそガキ…久しぶりだなぁ。」 「…リッパー!!」 そこにいたのはレイの村でレックスに腕を切断されたリッパーだった。切断されたほうの腕には機械の腕がはめ込まれている。