兵士は息を切らし、おそろしく慌てていてカイル達王子への拝礼も忘れ、僅かに震えていた。カイルは兵士の肩をつかみ落ち着かせながら、ただ事ではない様子に胸騒ぎが止まらなかった「王はこの扉の向こうにおいでだ。側近達と話している…何があった?エイファの事か?」
声を聞いて兵士はようやく自分を支えている人物が我が国の第一王子と気が付き、非礼な自分の有様に益々慌てた。
「エイファが攻めてきやがったとか…」
兵士は第二王子を慌て見た。
「ご推察の通りです!!エイファの王旗を掲げた軍隊が…国境付近まで近付いて…更に東からシューク、西側からモヴァも進軍してきています!!」
恐れていた最悪の事態だった。エイファは使者も送らず進軍してきていた。