「シン。」
「何？マリア。」
マリアがシンの隣に座っている。そしてやはり好きな人に自分の名前を言われるとドキドキしてたまらない。不器用なシンは、マリアとの距離を離れさせようと逃げてしまいそうだったが、頑張って我慢した。でもそれ以上に心臓が痛い。
「私のリボン知らない？」
「え？」
「何処かで落としてしまったの。青いリボンなんだけど、シンは知らない？」
マリアが困っている顔でシンの顔を見つめる。さらにシンは逃げようと思ってしまったが、さらに頑張って我慢する。
「ううん。知らないよ。」
「そう・・・・。御免ね、シン、本読んでいるのに邪魔しちゃった。」
マリアが落ち込んだ顔で俯いてしまった。彼女の落ち込む顔を見てシンは焦ってしまった。
「でっでも、俺も一緒にリボンを探すよ。」
「本当？」
「うん。どういうリボンなの？」
シンはマリアの喜ぶ顔をみてシンもつられて笑ってしまった。彼女の笑顔の魅力には誰もが惹かれてしまう力があるように。
マリアはリボンがどういう形なのかシンに伝えて昼休みは終わった。
少しずつ、マリアに近づいたように感じると、胸が勝手に暴れそうであった。
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