帰り道、シンが校門を出ようとした。と、そこには校門のすぐ側に青い物が見えた。シンが急いで駆けつけると、青いリボンがあった。間違いない、これはマリアのリボンだ。と確かめ、駆け足で学校へ戻った。
教室へ戻ったら金髪の少女の姿が見えた。
「マリア！」
その声に反応したのか、マリアは振り返った。
「シン？」
清らかな声。教室にいたのはマリアだと分かったら走って教室の中に入った。
「どうして教室にいるの？」
「いつもここでマグレスを待っているのよ。一緒に帰ろうとね。」
「そうか・・・。」
シンは疲れて言葉がいいにくい。そして自分が何をマリアに伝えようとしているのか分からなくなってきた。
「シンもどうして教室に戻ってきたの？しかも息荒いじゃない。」
ガタッと席を立ち、シンの所へ近づき顔を伺った。ハタッと気付き、シンはようやく何を伝えたいのか思い出した。
「そうだマリア。見つかったよリボン、これであってる？」
とリボンを差し出した。
「わぁ！これよ私が探していたリボン。有難うシン！」
心の奥底からマリアは感謝していた。そしてリボンを受け取ろうとしたが
「ちょっとそこえ座ってくれないかな。」
シンはマリアが椅子に座ってほしいと願う。マリアはそれに従って椅子に座った。とすると、シンもマリアと向き合うように座る。
するとシンはお得意な魔法でリボンを宙に浮かせマリアの後ろ髪にリボンをつけた。
「似合うよマリア。」
シンが優しく微笑む。
「すごいシン！こんなことも出来るんだ。」
とマリアは関心する。それからシンとマリアは一緒に話しをした。時間のことも考えずに、そして大切な事も忘れて夢中に喋っていた。
「・・・・・・。」
教室の外から黙って見ている者がいた。
そう、マグレスだ。
あれほど近づくなと言ったのにマリアはシンに近づいてる。今日という今日は許せなかった。
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