ケタケタさん

けん  2006-10-06投稿
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 中学の頃、自習の時間に国語の先生が語ってくれた怖い話。

 ある夏の日、先生は遅くまで学校に残っていたそうだ。

 外はすっかり薄暗くなってきており、部活をしていた生徒もほとんど校内にいない。

 とはいえ、いつまでも校内に残っている生徒がいないかどうか、先生はチェックをしようと思った。
 三年生の教室、つまり三階にある教室だけだが。

 先生は順番に教室を回っていく。
 3―1…

 3―2…


 教室内をざっと見渡した。

 誰も残っていない。
 よし、次。

 3―3…

 3―4…


 あれ?待てよ。

 3―3に誰かいたような気が…

 先生は気になって、3―3の教室に引き返す。

 やっぱりだ。
 いた。

 「おーい、いつまで教室おるんや。はよ帰らなあかんで!」
 教室のドアのあたりから声をかける。

 返事はなかった。

 薄暗い教室内に目をこらしてみると、どうやら、髪の長い女子生徒らしい。

 椅子に座り、机にほおづえをついている。

 もしかして泣いているのだろうか…?

 なんとなく先生はそのように思い、ひどく叱ろうとはしなかった。

 代わりに、心配そうに女子生徒の席まで近寄る。

 「大丈夫か?」

 やはり返事がない。

 「一体どうしたんや…?」
 顔を覗きこんだその瞬間、先生は凍り付いた。


後編に続く



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