少女は隣街から来たらしい。仲良しの両親が突然、仲が悪くなりそれが堪らなくなりここまで来た 。少女はそう少年に話すとまた黙り込んでしまった。 やっと理由が分かった。しかし少年の困惑は消えない。自分に出来ることがないのだから。 だからといって少女を見捨てる程薄情な心は持っていなかった。 何とかしてあげたい。 これが少年の素直な気持ちだった。 しかし何も出来ないのも事実。 少年は幼い知恵を絞って考えた。 少女の涙は止まった。 両親を仲直りさせた訳ではない。ただ励まし、一つの約束をしただけ。 それでも少女は嬉しかった。少年に初めて笑顔を見せた。少年は顔が赤くなった。すごく可愛い笑顔だった。 少女はお礼をして去っていった。 それが、少年と少女の出会いだった。 少年は少女に会いたいというだけの気持ちで毎日公園に通った。しかし二人が再び会うことはなかった。 そんな想い出も時と共に少年の頭から流れて・・・・・・・・・・・・・