ブラザーズLove3−?

 2006-10-06投稿
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 学の呼びかけに反応して、莉央は体を元に戻すと、目の前にいる彼が、幻覚で無いことに初めて確信したのである。
「ふぁい」
 言葉にならない言葉で、一生懸命、学に返事をしてみせた。
「莉央ちゃん、大丈夫?」
 心配そうな顔で言いながら、莉央の両肩に手を乗せては、顔を彼女の方に近づかせ、覗き込んだのだ。
 
 莉央は顔を上下さして、学に答えるとそれから、心配させまいと声も出して笑顔で答える。
「うん、もう大丈夫だよ。ありがとう」
「よかった。何も言ってくれないからちょっとビックリした」
 少し不安そうな顔つきで莉央の顔を真直ぐに見つめて言ったのだった。
 学が見つめたまま黙り込むので、恥ずかしくなり、じゃべり出す。
「あ、あの一つ聞いていい?今更なんだけど、どうしてここに居るの?」
「えっ、いやー、あの、迷惑だったかな?」
 心配そうな顔でもたもたしながら、逆に学は尋ねた。
「ううん、そうじゃないの。来てくれるなんて思わなかったから、すごく嬉しくて」
 左右に力いっぱい首を振り、感激している事を伝えた。
「そう、よかった」
 その言葉を聞き、やっと心の底からホッとする。
「うん、今日はホントに来てくれて、ありがとう」
 感謝の念で心が満たされると感情が溢れそうになると瞳は涙で潤み、学に悟られまいと少しうつむくのである。

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