昼休み
午前の気だるい授業を終えて昼飯だ。
さて、屋上行くかな。
博一『よぉ貴博。今日女の子と遊ぶ約束取り付けたんだぜ!この幸せ、お前にも分けてやりたいよ』
貴博『ん?何か言ったか?俺これから石倉と飯なんだけど』
博一『…オイ!一発殴って良い?』
貴博『別にいいが、殴り返すぞ』
博一『やだね!前お前に殴られて歯抜けたの、忘れてないからな!』
貴博『ありゃ自業自得ってもんだろ』
と、コイツの相手をしている暇はない。早く行かねば。
屋上
屋上の隅、いわゆる入口からの四角に叶呼がちょこんと座っている。
貴博『よぉ石倉』
叶呼『ん?あぁ野中』
気のせいか、叶呼の顔がほのかに赤い。
貴博『どうしたよ。顔が赤いぞ?風邪か?』
叶呼『え?顔赤い?…風邪じゃないよ』
貴博『………』
なんか様子がおかしい。
昼休みの屋上。頬を赤らめ見つめ合う…二人の男女。
これはまさか…。
叶呼『ねぇ、貴博…』
貴博『は、ハイ?』
名前で呼ばれて思わずすっ頓狂な返事をしてしまった。
叶呼『私を…』
俺は喉を鳴らす。
叶呼『助けて』
終