どす恋?

けん  2006-10-07投稿
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 林間学校も初日、二日目が過ぎた。

 暑い中をとにかく歩き回り、一瞬にして水筒のお茶が底をついたウォークラリー。

 宿舎のお茶を補充しようとしたら、全部HOTだったことには閉口した。

 体育館のような場所では、友人同士の交流を深めた。

 自分のプロフィールが書かれたカードを首からさげて館内をうろつき、より多くの生徒と会話を交わすのだ。

 この間、ヒロキは驚くほどにおとなしかった。

 初日のあの勢いに比べると、明らかに精彩を欠いている。

 「UNOやろうぜ、UNO!」

 誰かの声にみんなが集まりだす。

 晩ご飯を食べ終わった後で、みんなそれぞれに部屋でくつろいでいる。

 ヒロキもUNO班に加わったようだ。
 もう南さんへの興味は消え失せてしまったのだろうか。

 僕は思う。
 実際のところ、勇気がないのだろう。
 逆に勢いに乗って、南さんにちょっかいをかけられても困るのだが。

 やがて入浴の時間。

 「よっしゃー!お前らも見せろやー!!」
 脱衣室でモノを振り回しながら、タケシが騒ぎたてる。

 タケシは頭が良かった。
 学校での彼の様子を見ていれば、それは自然にみんなの認めるところであった。

 しかし、途方もなく下品だった。

 学校で水泳の授業があったとき、何のためらいもなく女子の前でモノをさらした。

 「なんや、お前らのはまるで小エビのようやのう!」
 タケシは顔に笑みを浮かべる。

 「言われてますよ、ヒロキさん」
 僕はヒロキに耳打ちしてみた。

 「ほっといたらええねん」
 いつになくクールに返してきた。

 「ヒロキは大人やなぁ。下は子供やけど」
 続いて冗談をはいてみる。

 「いやいや…」
 少しあきれたように首を左右に振る。そして言い放つ。

 「お前知ってるか?この後きもだめしやねんぞ」

 たしか最終日の夜にそんなことをすると、林間学校のしおりに書いてあった気がする。

 「南さん絶対ビビりよるで。そこで俺は絶対動じたらあかんやろ。いわば大人や」

 こいつ…本当は怖いくせに。

 どうか予期せぬことがありませんように…色んな意味で。

 僕は軽く祈った。

 続く

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