どす恋 後日談

けん  2006-10-07投稿
閲覧数[481] 良い投票[0] 悪い投票[0]

結論をいうと、僕と南さんとが、どうこうなることはなかった。

 初恋は実らないと誰かが言ったが、それにすっかり当てはまる結果となる。

 あれから僕たちは中学校にあがり、ヒロキとの腐れ縁はなおも続いた。

 中学3年になると、また奇しくも一人の相手を二人で争うことになるのだが…
 それはまた別の話。

 中学生の南さんは、誰か他の人に恋していたようだ。

 だからじゃないが、僕は次第に南さんのことを想わなくなっていった。

 あの林間学校の後、学校でよく井上さんにつつかれたものだ。

 「南のこと好きなんやろ?ヒロキから聞いたで。何か行動起こしぃや〜」

 要するに僕は…
 初恋の相手を首尾よくかっさらうほど器用ではなかった。
 シャイだったのだ。

 『好きな子に対してつい意地悪をしてしまう』

 巷にはそんなやつもいたそうだが、僕はそのタイプではなかっただけの話だ。
 畜生。

 高校になると、みんなそれぞれ離ればなれになった。

 ある日、風の噂で南さんの近況を聞いた。

 高校にあがるとすぐにヤンキーになったのだそうだ。
 その豹変ぶりはすごかったと、見た者はいう。

 ヤンキーになった、か…

 まぁよくある話なのかもしれない。

 そんな彼女が現在何をしているのかは、全くわからない。
 また、知る由もない。

 もうすぐ社会人になる僕。

 みんなそれぞれに、長い人生の先へと進んでいくのだろう。






投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 けん 」さんの小説

もっと見る

エッセイの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ