真っ直ぐに前を見る眼を持つ
君が言った
―俺が死んだら泣いてくれる?―\r
繋いだ手からぬくもりが
冷たい風に流されていくように感じた
―うん―\r
とは言えなかった
私の口から出た言葉は
―どうかな―\r
それだけ だった
何も言わない君を
横目でちらっと見ると
悲しい目をした
一人の男がいた
人はすぐ側に愛を置いておかないと
生きてはいけないと
誰かが言ってた
すぐ隣に繋いでおかないと
生きてはいけない
とも言ってた
この横にいる男は
私をすぐ隣においておきたいんだ
いつでも見れるように
ずっと愛されていると
感じでいたいんだ
愛を繋いでおいきたいんだ
冷たい秋風が
私の体を冷やしていく
私の心も冷やしていく
―私が死んだら…泣いてくれるの?―\r
小さく聞いた
―うん―\r
横目で君を見ると
君の眼は真っ直ぐに
私を見ていた
愛を繋いでおこうとは
思えなかった
でも
繋いだ
この温かい手を
繋いでおこうと思った
ずっとずっと
冷たい秋風に負けないように
温もりを逃がさないように
手を強く
繋いだ