「ごめん。俺、好きな人が出来たんだ」
はいはい。またですか。これまで何人の男に同じ台詞を言われた事か。
もういい加減、聞き飽きました。
私は今まで見せた事のないくらい、とっておきの笑顔を彼に向け、力の限り、思いっきりのビンタを顔面に食らわせる。
「サヨウナラ」
私の名前は、秋月美央。大学二年生。家族構成は、父・忠夫と、母・希美子に、姉・香織の四人家族。至って平凡で普通の家族。姉を除けば…ね。
お姉ちゃんは、ミスキャンパスに選ばれる程の美人である。妹の私は全くもって普通の顔なのに。神様は、不公平だ。