今日は満月で空が綺麗だな。そう思いながら夜道を散歩してた。特にすることもないし勿論、勉強をするつもりもない。そんな時、人影を見付けた。
「誰かいるの」
「…」
人影は黙ったまま。一瞬不審者かと思った。けれど良く見たら幼さがちょっと残る女の子だった。背は僕より少し小さい同年代くらいで黒い髪が肩にかかる、そんな子。
「…私が見えるの?」
「見えなかったら誰かいるのなんて聞かないと思うけど」
にこっと苦笑いみたいに笑った。女の子は怯えたりする様子もなく地面をじっと見てた。
「ねぇ君誰?」
いきなりおかしいかもしれない。けどその女の子が人形じゃないみたいで気になった。