第一話
楽しみにしていた中学校生活。
でも、期待は見事に裏切られたのだった。
何の楽しみもない学校。
毎日毎日説教ばかりの教師。
悪口しかいえないのかと思うくらいに、果てなく動く口たち。
全てが色あせて、モノクロのように感じ始めていた。
中学校って、こんなものなのかと、
心底失望していた。
窓側の席の一番後ろ。
そこがあたしの席だった。
前の席の子とくだらない話をしていると、
何処からか、笑い声が聞こえた。
声のするほうへ向くと、このクラスでもっとも
人気のある、どこのクラスにも一人は要る
中心人物が、バカをやっているところだった。
うらやましいとかは無かった。
むしろ…邪魔だった。
私はその時、初めてじっと彼を見た。
その時は、その後どんなことが起きるかなんて
想像もしていなかった。
彼が、私の中学校生活を大きく変える
人物になることも。