そして家帰ったオレは早速、兄貴に「なぁ、兄貴。浜中美紗ってコ知ってる?」と聞いてみた。「ん?みぃちゃん?そりゃもちろん。」とフツーに答えられた。「誰だよ、みぃちゃんて。」「そのコの事だよ。お前覚えてねぇの??」覚えてない…?「へ?」思わず間抜けな声を出してしまった。「あ〜そっか!そういえば、お前とは関わりなかったんだわ。すまん。でも顔合わすぐらいはあったと思うよ。」なんだよ、ソレ。「どういうこと?」「お母さんの実家の隣に住んでたコだから、オレは仲良かったんだけどね。お前は人見知りしてたから。」と言われた。「と、言うことでオレはデ〜トに行ってくる!!じゃあな♪愛しい弟よ!」ってことでほったらかしにされたオレは浜中さんについてずっと考えていた。(ん〜海で会ったことがあるんだろ?ってことは母さんの田舎しかないわけだ。いったい、いつ会ったんだよ…。)と、その時、あっ!!思い出した!!!オレは確かに浜中さんと会ったことがあった。あの時の浜中さんは麦ワラ帽子をかぶっていて、とても悲しい目で海を眺めていた。すごく綺麗な女のコだなって思った。それはちょうど3年前ぐらいの出来事だった。オレがまだ中学校に入学したばっかりのころだ。オレは、そんな浜中さんをずっと見ていた。あまりの綺麗さにみとれていた。すると浜中さんがこっちに向いて、目が合ってしまった。オレは、その時泣いているのに初めて気がついた。ビックリしてしまったオレは、その場を逃げるようにして去ってしまったのだった。この事を思い出したオレは何だかホッとして、この日はすぐに寝てしまった。