恋ごころ 第二抄 第一話

浅川悠  2006-10-10投稿
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翌日。

教室には珍しく遅刻していない友和の姿があった。

「よっ。京介。」

「珍しいな。明日の天気は槍だな。」

「そんな事言うなよ。俺だって全国目指してるんだから。」

「朝練か?」

「ご名答。」

遅刻魔の友和が始業30分前に教室にいる理由が分かった。

「しかし大変だよなぁ。朝練なんて。」

「そんな事はないさ。成瀬さん達だって朝は泳いでるんだぜ?」

「そうなのか?」

「知らなかったのかよ。毎朝インターハイ目指して泳いでるよ。」

「ふーん…」


成瀬さん達とは、成瀬麻穂、成瀬佳穂(なるせまほ、なるせかほ)の双子姉妹の事だ。水泳部に所属している2年生で、姉妹そろってエースとなっている。


「う…」

突然目の前の風景が歪む。
「大丈夫か?京介?」

「きょうす…」

意識が遠退いていく。



気が付けばそこは保健室だった。

「大丈夫?」

「あ、はい。」

「ちょっと体に負担が掛かってたみたいね。今日は帰りなさい。」

有無を言わせぬ言い方をするな…この先生は。

この先生…柳田小夜子先生は保健の先生だ。

今年赴任してきた先生だが、見た目の年齢から考えると恐らく採用されたばかりなのだろう。

「分かりました。」

そう言って俺は家路についた。

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