『また彼と一緒に勉強が出来る』
放課後も休みの日も
少なくともあの挫折を引きずっていた
でもそんな風に思うとちょっぴり幸せにもなれた
「あら、熊崎君は?」
放課後
何となく彼と話したかった私は彼が勉強している教室に行くと彼は居なかった
彼の参考書やバッグはあったが彼が居ないのは寂しかった
とりあえず隣の席に座っていた彼の友達に聞いてみた
「さっきまではいたけど、その辺に居ない?」
しぶしぶ教室を出て自分の教室に戻ろうとした
『あっ…』
思ったより彼はすぐ見つかった
彼は廊下に居た
隣には彼と同じクラスの女子が居た
少し離れていた所に居たが彼の姿はすぐ目に付く
気づかれないように教室に戻ったが 気になる
何を話しているのか
二人の笑顔が気になる
とりあえず気を紛らわすために参考書を眺めた
胸が痛い
モヤモヤする
ハッキリ言うと彼が他の女の子と話しているのを見るのは嫌だ
何となくムカついたそして
寂しかった
『あぁ、私今ヤキモチやいてる』
気付いてしまった
簡単なことだが
何か違う
好きな人が出来ると他の子と仲良くしているのを見てヤキモチをやくことはあったが 今までのような感覚とは全く違う
『私が居るのに』
とゆう気持ちが出てきていた
『独占欲』だ
前までは
『好きでいてくれたらいい』
『側に居てくれたらいい』
と ただ思っていたが今は違う感情が出る
『私だけを見て欲しい』
かと言ってクラスメイトと話しただけで「他の子と話さないでよ」なんて怒るのは何か違う
「朋美、さっき俺んとこ来たんだって?どうかした?」
友達に聞いたのだろう
わざわざ彼が来てくれた
嬉しいはずだが彼の顔を見ると押さえていた怒りが込み上げてきた
「別に、もういいし。」
顔が引きつる
声が低くなる
冷たい言葉が出る
「あ…そう?ならいいんだけど。じゃあまた後で。」
私の様子に違いを感じたのだろうか
彼はすぐに戻って行った
どことなく寂しそうだった
彼が去って行った途端に後悔を感じた
何故あんな言い方をしたのだろう
もっと優しく言えば良かった
何故こんなに小さい人間なのか
嫌になる
こんな自分が大っ嫌いだ
『ただ話していただけ』そうは思うがモヤモヤは消えない
もっと寛大な人間になれたら
彼に対する
初めての『ヤキモチ』だった