1945年8月6日広島。その日小さな太陽が一瞬で広島の街を地獄へと変えた。
皮膚が垂れ下がった少年、閃光で目が焼けた少女、黒く焼けこげた屍の山…
その中にきれいな肌を保っている少年が一人立ち尽くしていた。しかし目だけは全てを破壊し尽くす者の目をしていた…
日本の無条件降伏後広島には米軍の科学調査班がやってきた。放射能の人体に対する影響を調べるために。その内容は被爆した死体の回収や 被爆患者の患者の調査などだった。 しかしその裏である極秘のプロジェクトが進んでいた。それを知っているのはアメリカ政府、軍、GHQ(連合国軍総指令部)の上層部だけだった。
ある日GHQからこんな指令が出た。「我々が捕獲したサンプルが逃走した。ただちに捕獲せよ。年齢は16歳。外見は身長約170センチ位の日本人だ。けして殺すな、生け捕りにしろ。」これを聞いた米軍のジャック・レイソン二等兵は首を傾げた。死体ならともかく、生きている人間のサンプルなど聞いたこともなかったからだ。
そしてこの時から61年の歳月が流れた。