強い風が吹き、桜の花びらが夏実の肩へ舞落ちる。
「トキ…。」
肩の上にのった花びらをとり、彼女は桜にキスをした。
去年の春、
「夏実〜!」と朱輝が飛び付いてきた。
「何?」と夏実はあくまでもクールな人と言うポジションを崩さない。
「同じクラスだといいな♪」と言う朱輝にあわせて夏実は
「そうね。」と軽く微笑んだ。
実の所、夏実は朱輝が好きだった。
でも恥ずかしい!と言う気持ちのせいで、いつもよりクールに振る舞ってしまう。
二年一組
浅岡朱輝 | 伊藤幸子
岡田祐介 | 加藤夏実
「夏実!一緒のクラスだ!よかった!」
夏実は嬉しくて仕方なかった。
朱輝と一緒のクラスになれたから?
ううん。それもあるけど一番は違う。
朱輝が「よかった」と言ってくれたこと。