〜《これまでのあらすじ》〜
銃を撃ちながら、カーチェイスを繰り広げる追っ手達。
だが、このあと追っ手達はあえなく御用となった。
『つのが!つのが!!』
[救急隊員]「とにかく、パニックになった彼女を落ち着かせるのが第一だと考えました‥‥」
戦車と対峙する青年。と、次の瞬間ッ!!
半日後…、
そこには元気に走る女の子の姿が!
―――女の子が無事であった事に安堵し、ご両親も意識が回復してるかもしれないので、私は女の子と手をつないでお見舞いに行くことにした。
[女]「へぇ〜、お父さん達は研究者なんだ。スゴイね!」
[女の子]「うん!え〜っとね。こ、こ〜〜?『こくう』?ってところではたらいてるの!」
こくう?聞いたことないなぁ。
[女の子]「きのう、はじめていくはずだったのに。、きのうのじこのせいでいけなかったの」
女の子はブーブー。と、つまらなさそうに顔を膨らませた。
女は、そんな可愛く膨れた女の子を見て微笑みながらも、女の子が言った事に少し引っ掛かるモノを感じた。
なんで、いつも連れて行かない女の子を研究所に連れて行こうとしたんだろう?、しかも夜に。
………まさかッ!昨日の事件に関係してるんじゃ!!昨日の戦車も、あの青年も、実はこの家族を狙って!………。
また、妄想を暴走させて向こう岸にいっていると、女の子が不思議そうな視線を浴びせているので、話題を変えることにした。
[女]「アッ!、そういえば、まだ自己紹介してなかったね!私は、晴咲 麗遊(はれさき うゆ)。お名前は?」
[女の子]「いなだ あおい(稲田 葵)です!」
―――その頃、男は依頼失敗の報告をする為、白い部屋に案内され、クライアントの処へと来ていた。
[男]「すみません。俺のミスです。」
[依頼者]「いえいえ、そう頭を下げないで下さい。なにぶん急いでいたもので、私達が詳しく話さなかったのが悪かったんですし…、それに…、私達はまだ、あなたに隠していることが………」
[男]「“天帝”(てんてい)…の事ですか?」
[依頼者]「ッ!!」
あからなさまな反応…。間違いねーな。実のところ俺は、依頼の報告だけをしに来たワケじゃない。訊かなきゃなんねー事がある。
[男]「『天帝専属研究員』『第壱秘密開発研究機関“虚空”』責任者。話してもらえますね……、稲田さん」
…続きます